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島崎藤村の人間観 [ 川端俊英 ]のレビューは!?

年齢不詳さん
この本の魅力は藤村の実際の生き様での苦しみや反省を通して真のリアリストとしてきわめて真摯に生きた時代を知ることができるところにあります。藤村という人は今に生きる思想の持ち主であるということをこの本によって知りました。破壊を書いて初めての成功を収めたとき東京で一緒に生活していた幼き三人の娘をわずかに一年の間に死なせてしまったことなどもはじめて知りました。彼の偉いところはこれらの失敗や反省をきちんとのしながら作家生活を続け、また日本ペンクラブ会長として軍部からの招請には一切耳を傾けなかったことや常に女性の立場に立ってその開放の立場を失わなかったことなどを知ることができます。私は小説破戒の文庫版を探して今一度読んでいます。筆者は京都の人手昔府立高校の先生をしていた方で、現在、同朋大学名誉教授,京都の部落問題研究所の主任研究員をされています。おもな著書に「人権から見た文学の世界(明治編と大正編)」「国語科教育法」などがあります。ちなみに私も府立高校で教壇に立っていました。今はOB組織でご一緒させていただいています。